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「というわけで、専門家であるあなたにこの眼鏡を掛けないでも普段の生活ができるかどうか、ご意見を伺いに来たというわけです」
オオノ刑事は再びその様な言葉を口にする。その可能性がかなり名残惜しいのだろう。しかし店長はその言葉に首を振り、
「残念ながら、先ほどの言葉の繰り返しになります。この眼鏡を掛けていた人間は、眼鏡無しでは日常生活を送るにも苦労するでしょう。眼鏡なしでバイクに乗るだなんてもってのほかです。それこそ事故を起こすことは必然でしょう」と告げた。
「そうですか」
店長の言葉に落胆しつつ二人の刑事が腰を上げようとすると、
「こうなると、二つの可能性しか考えられませんね」
店長が何かを考えるように顎に手を当てた姿勢でつぶやいた。
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