362人が本棚に入れています
本棚に追加
突然の訪問者、
しかも僕を強姦までした大嫌で大迷惑な男ーー。
窓にも鍵をかけ、カーテンをきっちり締め直した。
薄暗い部屋の中で、膝をかかえてうずくまり、藤田雅人が帰るのを息を潜めて待つ。
「お前と話しができるまで帰らない。待ってるから」
ドア越しにそう言い残し、階段を下りて行く足音がした。
とりあえず、部屋からは離れたようだ。
でも、いつまた訪ねてくるか…
不安と焦燥で気持ちがざわつく。
無視していれば、そのうち居なくなるだろう。
忘れたい過去が僕を苦しめる。
今できるのは、ただ時間が過ぎるのを待つだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!