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僕は作り付けのクローゼットからタオルを出して、渡した。
「ありがとう、助かるよ立花」
「別に…」
素直にお礼を言われるのは初めてかも…
何だか居心地が悪い。
「ところで君荷物は?着替えとか…」
僕も髪を拭きながら尋ねる。
「着替えだけならホテルのフロントに預けてきた」
「僕の服じゃ合わないから、戻った方がいいんじゃ…」
でも濡れたままの服じゃ風邪を引いてしまう。
ドライヤーとアイロンで何とか乾かせるかな…
先に着替えた僕は、どうしたものかと考えた。
思いの外雨は冷たくて、体温を奪った。
「とりあえず、服を乾かすから、君はシャワーで体を温めなよ」
「お前、やっぱり優しいな…」
「違うよ、早く出て行って欲しいだけだ」
そう、何時までも一緒にいたくなんかない。
「そうか…。じゃあ遠慮なく借りるよ」
言うなり彼は、私服のシャツとパンツ、更には下着までさっさと脱ぎ、素っ裸になった。
「わわっ…」
いきなり目のやり場に困る。
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