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こっちが聞きたい位だ。
でも、あの雅人が…
タバコ、酒、合コン、女好きで、自堕落で自己中で俺様で僕をバカにしてばかりだった奴が…
今、なりふり構まず土下座して懇願している。
僕の中のもう一人の自分が、優越感に浸っていた。
だけど雅人の真剣さ、を目の前にしても、僕の気持ちは変わらない。
変わらない…
なのに、もう一人の悪魔な僕が囁くーー
いっそ試してやろうか…今までの仕返しも兼ねて
人はそんなに簡単に変われないのだから。
悩んだ挙げ句、
「…ここは僕が借りてる部屋。つまり家主は僕だ。どうしても同居したいなら、社宅が見つかるまでの間だけだ」
「いいのか?」
雅人の顔がパッと明るくなる。
「それに条件がある」
「何でも言ってくれ」
「僕の前で煙草は吸わないこと」
「ああ吸わない」
「お酒は1日缶ビール1本まで」
「…わ、わかった」
「僕の許可なく気安く体に触れない」
「ああ、触らない」
「それと、会社以外では君を雅人って呼び捨てにする」
「いいぜ」
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