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突然やって来た雅人の強引さと、熱意?に押し切られる形で、
仕方なく同居をオーケーしたものの、
色々問題があることに今更気づいた。
「ねぇ、雅人。着替え以外の荷物は?」
少なくとも布団位ないと ーー
雨は弱くなったが、既に外は暗く、夕食どきだ。
「ねーよ、アパート出るときみんな置いてきた」
毛布にくるまり座っている雅人。
居るだけで部屋が狭く感じる。
「置いてきた…?」
「必要ならこっちで買えばいいし」
「買えばって…、布団もないんだよ」
「一緒に寝ればいいだろ」
「そんなわけにいくか!」
第一シングルサイズに、大男と寝るなんて普通に無理すぎだ。
「ホテルに着替えを取りに行くついでに、買ってこよう」
「ああ、全部まかせる。お前が家主だ」
先が思いやられるなぁ…
再び深いため息が出た。
月曜になったら、雅人の社宅のこと担当者に聞いてみよう。
一刻も早く出て行ってもらうんだ。
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