空の青と海の蒼

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民間アパートを社宅にしている僕の部屋は、営業所と海岸の中間に建っている。 海には歩ける程近くはないが、窓を開けておくと、時折風に乗って潮の香りがした。 離れてみると、僕が愛した尾崎さんは、青い空に浮かぶ雲のように遠く掴めない存在になってしまった。 初めてこのアパートに来た日、僕は海に行った。 そのどこまでも蒼い広大さと、波の音に傷つき疲れた心を癒やしたくて… そばに居られなくたって、コミュニケーションの方法はいくらでもある。 だけど、心の中にできてしまった距離までは縮まらないのだった。 ☆★☆ 三度目の週末が来た。 前日からの曇り空は、やがて雨に変わるだろう。 深夜、尾崎さんと遅くまで話した。 パソコンの画面の向こうから 『…やはりお前が居ないと寂しいな、立花…』 リアルな尾崎さんの声。 「僕もです…」 何度も後悔した。 やはり付いていけば良かったと… でも、僕の本当の気持ちは隠しておかなくちゃ…
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