【15】たこやき屋のおっちゃん

4/9
前へ
/212ページ
次へ
「こんにちは~」 「へい!いらっしゃい!!」 久しぶりに人と話すかのように、 目をギラギラさせたソース顔のおっちゃんが勢いよく顔を出した。 「あのー、たいやきあります?」 「おお!たいやきあるよ!白と黒があるけど何個?」 「えーっと、じゃ。白、黒3個ずつください。」 「あちゃー、ねえちゃん!すまんけど、全部で5個しかねぇんだ。」 すまんけど、と。 つけたら割には終始笑顔のおっちゃん。 それに、5個しかないのになんで何個?て聞いたんだ。 1、2個くらいしか買わないように見えたんかね。 そんなことを思いながら。 「じゃぁ、その5個ください。」 そう言うと。 「あいよ!ちょっと待っててな。」 と、おっちゃんは手際よく紙袋にたいやきを入れだした。 さ。 早く、帰んなきゃな。 気持ちはとっくにホームイン。 な、ハズだった…
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加