【18】やのけん?!

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 「あの!ナビは?ナビ見ればいいんじゃないですか?ほら、携帯とかで。」  そうだよ。今は簡単にアプリでナビゲーションしてくれるじゃないか!  一筋の光が見えたような気がした。  これで帰れる!  しかしこの希望の光は簡単に彼の言葉で打ち砕かれた……  「…ナビ、見てましたよ。あのコンビニまではずっと。」  「はぁ?」    「いや、見てきたんですけど微妙に誤差があって分かんなくなっちゃったんです…それであのコンビニで声かけたんですよ…」  「………」  そう、なのね。  あぁ…なんか人ってこうやってマインドコントロールされていくんかね。  この人のペースに飲み込まれていくわ…  とりあえず、最後の抵抗。  「ほんとごめんなさい…一緒に乗るのは無理ですよ」  疲れて力なく答えた。  すると彼は急に大きな声を張り上げて、  「ぼっ…僕は決して怪しいものじゃありません!!普通のサラリーマンです!子どもだっているんです!変なことはなにひとつ考えていません。ただ子どものサッカーを見たいだけです!!」  び…びびった。そんな急に大きな声出さないでよ。私、苦手なんだよ。大きな声で喋る人……  てゆうか、もうなんなのあなた…
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