【18】やのけん?!

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   「僕の名前は″やのけんじ″と言います!!」  やの…けんじ  やのけんじ?  やのけん?!  やのけんじゃんか!!!      「ぐふっ…」  こんな状況なのに名前を聞いて不覚にも笑ってしまった… (※ごめんなさい。これは一部の方にしか分からない話です)  彼は必死に自分が怪しいものではないことを証明するため、着ていたジャンパーを開いて胸元に刺繍してある会社の名前まで見せた。  そう。彼は会社の作業着らしい服装をしていた。仕事帰りなんだろうというのはあのコンビニの時点でその服を見て分かっていた。  もう諦めるしか…ないのかな。  どうなるか分からないけど、とにかく早く私も帰りたいし彼をインターまで連れて行こう…  もしも彼が嘘をついていて何かされたらそれは私が悪いのだ。    「分かりました。インターまで一緒に行きましょう。でもあなたの車には乗れないので私のほうに乗ってください。」  相手の車に乗るのは危険すぎる。  いや、自分のほうに乗せるのも十分危険なのは分かっているんだが。  「…あぁ、ありがとうございます。ほんとにありがとうございます。さっきから無理ばかり言って…」  はぁ……無理を言ってると思うのならどうして解放してくれないんだよ…  ったく…。   
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