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そんなデニス先生。
年がら年中、半袖である。
たしかに体の大きな人って暑がりなイメージはあるけど…
去年の真冬の出来事。
その日はいつも以上に寒が増して、
コートに首をすくめ、腕を前組みした状態で小走りに教室へ駆け込む。
さぶっっ!!
身震いしながら教室のドアを開けると、
いつものように、にこやかに
「Hi Hello」
と、軽く手を挙げてあいさつをするデニス先生。
私も笑顔であいさつを返すものの、
彼の季節感のない半袖シャツに
ここだけ南国か!
ってツッコミたくなる。
さすがに日頃から気になって仕方なかったので、今日はあえて聞いてみた。
「Is it not cold ?」
「ゼンゼンサムクナイネー♪」
……………。
そ、ですか。
しかしそれからしばらく観察していると
ふと彼の腕に目がいって…。
よくよく見ると見事なまでに鳥肌がたっている。
おもわず吹き出しそうになった。
やっぱ寒いんじゃないの?
それからどーしても気になって、
もう一度訊く。
「ほんとにさむくないの?」
「ンーーー、チョトサムイネ」
そりゃそうでしょう。
ボブ・サップみたいな体してるから
日本のお店じゃサイズがないのだろうか。
それとも俺には半袖なんか必要ないぜ。
だって俺はマッチョなんだ!
と、敢えて自分を奮い立たせているのかもしれない。
勝手な妄想ワールドで頭がぐるぐる。
大きいサイズの専門店の場所、教えてあげたがいいのか。
そんなことを考えていたら、
彼の座っている椅子のうしろに大きなダウンがかけてあった。
なーんだ。心配して損した。
でも寒かったら長袖着ましょう。
風邪ひきますよ。
でも私はそんなデニス先生が好きです。
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