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自分がこの電話を受けてしまったのだから仕方がない。
とにかく、『少々お待ちください』と言ってから数分が経つ。彼らにとっての少々が一般的感覚で言う少々とは違うかもしれないので、怒鳴られることを覚悟してもう一度受話器を耳にあてた。
「もしもし、大変お待たせしました」
「足立はどうした？」
「申し訳ありません。先ほども言いましたが足立は本日出勤してきておりま─」
「会社に隠れてるんだろ！！出せこらぁ！」
「………(こわいし…)」
できればこういうときのマニュアルでも作っておいてほしい。
薄情者の管理職及び上層部軍団は、会議室の隙間から様子を見守っている。
なんで朝からこんな目に遭わなくてはならないんだ……
電話先の相手にも、役に立たない上の人たちにも、どこにいるか分からない足立さんにも、無性に腹が立ってくる。
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