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………あ。
運転する車のフロントガラスから、視界に入る二つの自転車と4人の子供。
私たちの少し先を行く彼ら。
通り過ぎる瞬間まで、私はその子たちから目が離せない。
「ママ!みさきちゃんだよ!あと、れおくんも!」
その姿に気づいた1号が、大きな声を出して指をさした。
「うん、そーだね。」
「きょうもみさきちゃん、お姉ちゃんたちといっしょだね!」
「…うん、そーだね。お姉ちゃんたちえらいね。」
自転車に乗っているのは、男の子と女の子。二人は中学生。
男の子のうしろには、もう一人男の子が乗っていて、その子がれおくん、3歳。
小さな体をお兄ちゃんにしっかりとくっつけて、振り落とされまいと必死に学生服にしがみついていた。
そして、女の子が運転する自転車の後ろにも、また女の子。
6歳のみさきちゃんである。
みさきちゃんは1号と同じ年長さんで、同じクラスなのだ。
彼らを通り過ぎて、少し先にある保育園へと到着する。
駐車場に車を停めて、まず1号を降ろし、車から二人分のバックをつかむと、
今度は2号に靴を履かせてそのまま抱き抱えた。
そうこうしているうちに、先ほどの彼らも駐車場へと入ってきた。門の鍵をあけて、園庭に入るころには4人も同じタイミングで入る形になった。
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