【10】小さな絆

6/12

44人が本棚に入れています
本棚に追加
/212ページ
「みさきちゃん、れおくん、部屋に入ろうか?一緒に行こう。」 そう言うと、 みさきちゃんはまた小さく頷いて、ようやく歩き出した。お姉ちゃんのその姿を見て、れおくんもトコトコと歩き出した。 年長さんの部屋の前まで行き、みさきちゃんに、中に1号がいるから一緒に荷物を置いておいでと言うと、素直に部屋の中へと入っていった。 れおくんもそれについて行こうとしていたため、慌ててそれを制止する。 「れおくん!れおくんはこっちだよ。一緒に行こうね」 と、二つ先の「たんぽぽ組」の部屋を指さした。 すると、今までなんの反応もなかったれおくんが、自分が背負っているリュックサックをつかんで、これ!と言わんばかりの顔で私をみた。 ……あぁ、荷物ね。 「ごめんね、おばちゃんゆり組さんのお部屋のことはよく分からないから、バック持ったままでいいから、たんぽぽ組さんのお部屋にいこう」 「ゆり組」は、れおくんのクラスだが8時半までは、年齢関係なく「たんぽぽ組」で先生たちは面倒をみるのだ。 だから、1号たちも自分の荷物を片づけたらその部屋へとやってくる。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※ 少し説明しておくと、朝早い時間はまだ早出の先生が二人いらっしゃるだけで、ほかの先生たちは8時半頃にしか来られません。その間、子供たちは年齢関係なくひとつの部屋で過ごします。 もちろん、すべての保育園がそうとは限りません。さまざまです。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※
/212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加