【11】虎太郎と謎のおじさん

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返事を返さないまま、数十分がたっただろうか。 手に持ったままの携帯がもう一度、大きく振動を鳴らした。   あ…、またなんかきた。 携帯を開いてみると、またもや虎太郎からのメッセージ…。 『無理かな? いきなりID送ってしまって迷惑かなって思ったんですけど、会社が番組制作の仕事で本当に個人の情報の規制が厳しいんです。 なので、FBはもう退会するんです。 頻繁にメールとかお願いしてるわけではないですし、ラインで大丈夫なんで気軽にメールすることはできないでしょうか?』 ふーん。 釣った魚は逃がさないってことですか。 まー逃げる気満々ですけど(笑) 想定外というわけではない。 けれど、 アウト。  ラインはダメ(笑) FB上でのやりとりなら続行できるけど 『ライン』って一言で もうないな、と思った。 虎ちゃん、ごめんよ。 君が高額化粧品を売りつけてくるところまで観察を続けたいところだが… 君の本当の目的は… ラインの『ID』 だね。
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