【11】虎太郎と謎のおじさん

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ワースト2位 『しぬきですかwww』   10年くらい前の話し。  仕事帰り、友人と近くのファミレスで食事をした。 恋や仕事、友達の話で盛り上がっていたら、いつの間にか時計は10時を回っていた。 お互い、明日も仕事だしそろそろ帰ろうということになり、まだまだ話し足りなかったけど、私たちは「また~」なんて言いながら、ファミレスをあとにした。 車に乗り込んで、ここから10分くらいで着く自宅へと車を走らせる。 大通りから、小道へと入る。 いつも渡る橋を通り過ぎると、しばらくまっすぐな道が続く。 田舎だから、周りは畑や田んぼばっかり。 電灯すらない。 あたり一面まっくらで、他に通る車もいなかった。 しばらくすると、数百メートル先だろうか。 うっすらと人影が見えた。 こんな時間にひとりで歩いてんのかな… あまり気にはしなかった。 少しずつ距離が縮まって、後少しで通り過ぎるというぐらいになったとき… 歩いていた人がこちらのほうへ振り向いた… 一瞬目が合った… と、次の瞬間! その人は突然、車の前に飛び出してきたのだ。 キキキキキキキッッッー!!!!! とっさに急ブレーキを踏む。 怖くて目を閉じたと思う。 感覚的にぶつからなかったのは分かった。 ななななっ なにしてんのさ!! あんた死ぬ気かい!! (゚Д゚;) バクバクしたままの心臓と、突然沸き起こる怒りと、いまだに何が起こったのか整理がつかない脳で、ハンドルを強く握ったまま前へと顔をあげた。 あ…れ……? …い…いない!?
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