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そっとレジの前に立つ…
やはり起きる様子はない…
ドンっ!!!
勢いよくカゴを置いた。
当然。
ビクッとして慌てて起きた店員。
一瞬ここがどこだか分からない様子で、
キョロキョロ辺りを見渡した後、
挙動不審のまま
店「いっ、いらしゃいませっ!!!」
と、ひっくり返ったような声でそう言った。
思わず吹き出しそうになったが、いたって冷静な表情で彼を見つめた。
(悪趣味です、よい子はシテハイケマセン)
ピッ!
ピッ!
ピッ!
二人の間に異様に響くバーコードの音…。
突然現実の世界に引き戻された彼は、まだ頭の中が錯乱していたのだろう。
店「あっあ…温めますかっ!!?」
ようやくちゃんと目が合った。
でも今度は私が固まった。
彼が手にしているのは炭酸ジュース…
え?
…爆発するょ(・∀・)…
店「はっ!! す、すみませんっっ、これじゃないっ!あっあ…あたためますか!」
慌ててジュースをカゴに戻すと、今度は水戸黄門の紋所のように、おにぎりをがっしり掴んで差し出した。
ちょっ…潰れるしっ。
i「や、いいです……」
彼は軽く頷くとそのままレジを続けた。
精算を済ませて立ち去る頃には、彼もだいぶ落ち着きを取り戻したようで。
「ありがとーございましたー!」
と言った彼の表情は少し和らいでいたようにも思う。
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