【13】阿部くん

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先週執り行われた新入社員歓迎会。 三ヶ月の研修を終え、彼らはそれぞれの部署へと正式に配属された。 彼らの歓迎と、研修の慰労を込めて行われた今回の宴。 その中にひとり、新入社員ではないが、 お祝いの対象となっている人物がいた。 彼の名前は、 阿部 修次。(アベシュウジ) およそ二年間、彼は契約社員として会社に貢献してきたのだが、 この度、正職の推薦があり論文を提出し、面接を行った結果、正社員としての登用が認められたのだ。 新入社員と時期が重なったこともあり、彼も含めた形で今回この祝賀会は進められた。 『乾杯~!!』 事業部長の眠たくなるような話と、今回の主役のメンバーの未来に溢れた意気込み挨拶が終わった後、乾杯の音頭とともに宴はスタートした。 丸テーブルには、色とりどりの料理と瓶ビールが並べられている。 最初は皆、静かにお酒を飲みながら目の前の料理を堪能する。 少しお腹が満たされ、お酒も進むと自然と会場は人の会話や笑い声で溢れ、あっという間に賑やかな雰囲気に包まれた。  
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