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「自分も見たよ、砂をえぐれた海岸、根ごそに倒された松の木しかも数え切れないほどの本数。」
「海岸の近くでは線路が飴のように曲がり、バスが代行運転いつまで続くのでねえ。」
「あの時は電気も止まり、車のガソリンなども品薄になり、電車も動かないので歩いて東京方面に向かいました。」
「えーどうしてまた。」
「自分の身内の無事を見届けて、こちらにはもう仕事がないと判断したものですから。」
「うんだんべねえ,ここさいる人らの家族の人、買い物するにも毎日どこでも長い列で前のように買い物が出来ないと言っていた。」
「何しろ津波で車流され、電話通じて昔の仲間と連絡取ったら、どうにか東京まで来れないかと言われましてね。」
「それで到着したのはいつだべ。」
「一週間は掛かりました。福島県は浜通りが原発事故で危険だったので中通りを行きました。
「それはそれは。」
「たまたま中通りには数人知り合いや友達が多く宿には困りませんでした。」
「それじゃ友達の所に泊ったの。」
「はい、この際贅沢は言えません、とにかく雨や風を凌ぐだけ考えました。
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