ディライト中で(いかにして震災を生き抜いたか)

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「その後は自宅があった場所には行かれましたか。」 「工事関係者と住民関係以外は立ち入り禁止で私はどうでもよかった。」 「やはり今まで住んでいた家ですから辛いでしょう、沢山の思い出の詰まった家でしょうから。」 「市役所の担当の職員の話だと津波の被害による解体と地震の被害による解体は違うんだ、と言われてね。」 「はあ、どのようにですか。」 「津波の被害では全額費用は地方自治体ここでは市になるけど全部負担とか。」 「すると地震の被害はまた違うと,言われて見れば津波の被害は沿岸部だけと限られますからね。」 「実は隣の家の旦那さんね、震災前は漁業で食べてだけど市道の瓦礫拾いしてた時、聞いたらしいけど。 市道は当然市,畑や田んぼそれに関する水路は県の管轄だって言われたみたいだよ。」 「そう言えば、東京にいた時にやっと連絡が取れた友達が言っていた。 市道の瓦礫を撤去していた時に県道に置かれて瓦礫はいつまでも置き去りで住民が騒ぎ出したと,それは県の管轄になりますと説明して納得してもらったと。」 」どうしてこんな差別をするんでしょうね。」
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