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幸一「話しの内容は合ってると思うけど?
まぁ、そんなことより撮るなら撮るぞ。相手が彼女でも恥ずかしいものは恥ずかしいんだからな。
気が乗ってるうちに撮るぞ。」
茜「うん!」
カメラにタイマー設定を30秒にセットして先に待っていた茜は笑顔で待っていた。
幸一は、固い表情で隣についた。
そして茜は、幸一の手を握りしめた。
幸一の表情は余計固くなり顔が赤くなった。
写真を撮った。
そのあと、授業をサボり屋上を無断で使用した事を先生に2時間ほど怒られた。
帰る頃には、7時になっていた。
帰り道の途中、幸一たちは公園に立ち寄った。
茜「なんか、私たち昨日知り合った人たちに見えないよね。」
幸一「あ?いきなりどうした?」
茜「なんか、そう思っただけ。」
幸一「なんだそりゃ、変なの。」
茜「変なのは、幸ちゃんも一緒だよ。」
幸一「俺は、変じゃないよ。」
茜「それより、心臓ってどんなかんじなの?」
幸一「どんなかんじか…正直いうと俺はいつ死ぬのかわからない。」
茜は、それを聞いて唖然としていた。
茜「それは、いつから?」
「もう、生まれたときからだよ。
そのとき、おくふろが亡くなったんだよ。」
「そうなんだ…変な事聞いてゴメンね…」
幸一「でも、なぜか生かされてるんだよな。こうなったら自殺を考えるか諦めて生きるかしか方法はないんだよ。」
「でも、自殺は考えなかったんでしょ?」
幸一「いや、考えたよ。」
「未遂とか?」
「いや…まぁ…そう言ってもおかしくはないな。でも、そういうのは、俺の主義に反するんだよ。」
それでも、主義に反して1ヶ月くらい考えてやろうとしたことがあるんだよ。
俺は、孤独だし誰にも好かれないしいつ死ぬかわからないからいても意味ないと思ったんだよ。
ただ、好かれないと言っても好かれようと思わなかったんだよ。」
「そうなんだ…
変なこと聞いてゴメンね…」
「まぁ、気にする事はないよ。
俺の最高の彼女になるんだろ。
だったら、このくらいの事を知らないのはマズいだろ。」
茜は、幸一の一言に寂しさが混じってるような気がした。
茜は、そういう幸一に悟られないように一つあどけないかんじに笑った。
でも、そこにはじんわりと涙が出ていた。
「お前、それ…」
「え?何が?」
「何がじゃないよ。何泣いてるんだよ。」
「泣いてなんかないよ。
目にゴミが入っただけだよ。」
幸一は、茜を抱き寄せた。
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