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茜「ねぇ…幸ちゃん…何があったか説明してよ…」
幸一「………。」
茜「どうしてよ…」
茜は、泣き始めた。
「私たち友達…だよね…そんなに言えないことなの…?」
幸一「………ゴメン。」
茜「もしかしてさ…人と関わりたくない理由って凄く重たいことなの…?」
幸一「…頼む…これ以上…詮索しないでくれ…茜の顔を曇らせたくないし茜とは普通に接していたいんだ…この話しを聞いたら…さっきまでの普通の会話は臨めないぞ…」
茜「馬鹿にしないでよ!友達ならなんでも知らないとダメでしょ?
友達だと喋れないなら私の彼氏になってよ!」
幸一「なんでそうなるんだよ!」
茜「カップルなら更になんでも知らないとダメでしょ!
私、幸ちゃんに大変な過去があろうとなんだろうと受け入れる!
じゃあ、これを聞いたらその気になってよ!
私は、始めて見たときから幸ちゃんに恋してたんだよ!」
幸一「ふざけるなよ!そりゃあ、俺もよくわからない曖昧な気持ちがあったんだよ!でも、俺はそれをやめたんだ…そこまでして避けなきゃいけない理由があったんだよ…」
茜「ねぇ…幸ちゃん…私の事…嫌い…?」
幸一「なんでそうなるんだよ!」
茜「だって…そうでしょ?…私は彼女としてどんな事も受け入れるって言ってるのに…それに、話してくれないとわからないよ…」
幸一は、静かに流れていく雲を見つめながらしばらく黙った。
そして、茜は静かに泣いていた。
幸一「はぁ…わかったよ…本当に覚悟はあるのか?…」
茜「何度も言わせないで!」
茜は、強い目をしながら幸一を見つめた。
幸一「俺がさ…不治の病に陥ってる…なんて言ったら信じるか?…」
茜「?…どういう事?」
幸一は、そう聞かれると制服を脱ぎ始めた。
幸一の右肺のところに血管が浮き出ていて激しく動いているものがあった。
茜は、それを見てただただ目を見開いて唖然としていた。
茜「幸ちゃん…それって…」
幸一「そう…人と関わりを持たなくなった理由…そして、元親友倉石 透と決別した理由なんだよ…
俺は、これのためだけに倉石を不良グループに売ったんだよ…喧嘩が強かったのか、倉石は少しの傷で済んで学校に来てたけどな。
ただ、それ以来倉石は軽蔑するようになったんだ…
でも、アイツは喧嘩をするとき右側を狙わないようにしてるんだ…正直優しさやつなんだよ…」
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