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「健一~。」
誰かが名前を呼ぶ。
彼は高木亮介。茶川中学校に通う、極平凡な中学生だ。
「どうした?」
「一緒に帰ろうぜー!」
「あぁ。分かった。」
高木は荷物を片付けると、友達の元に向かった。
映画に出てくる一般人Aと同じくらい平凡な中学生で、母親と暮らしている。もちろん彼女とかがいる訳でもない。
「あ、マック行かねぇ?」
「いい「ピルルルル…」」
このタイミングでメールが届いた。
俺は一瞬固まり、携帯を開く。この時に俺は「あいつじゃないように」と強く願いながらメールを開く。
『高木。仕事が入った。早く来て。』
願いは虚しくも届かず、あいつからのメールだった。
「ごめん。急用ができた。」
「はぁ!?大丈夫だっていっ―」
「スマン!今度ハンバーガー驕るから!」
友達に別れを言うと高木は走り出し、ある場所に向かう。
そこはビルとビルの間。人気のない、錆び付いた路地裏だった。
そこで高木はスペードの飾りが付いた銀色の鍵を出す。
「アンロック・ザ・オープン…000。」
高木は鍵を前に突き出して、呪文のように唱えた。
言い終わるとほぼ同時に鍵を回す。
カチャリ
何かが開く。それは実際には考えられない、空間にドアが開く音だった。
高木はその中に、躊躇わずに入っていった。
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