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「いやぁ…君がシグロ君か!頼もしいなぁ。」
ブレイと呼ばれた男はニコニコしてシグロを見ていた。
「じゃあ行きましょうか。」
ブレイが言うと、ついてきた兵隊が二列になって後ろにくっつく。
「…ねぇシグロさん?」
「なんですか?」
「その腰についている丸いのは何ですか?」
ブレイがシグロに聞く。
高木は後ろで見ているだけだった。途中兵隊の一人が「頑張れ」と言ってきたが、何の事だか分からなかった。
「あぁ、これはお母さんの形見なんです。「英雄の遺伝子(スピリッツ・データ)」という使い手によって武器が代わる宝玉なんですぅ。多分ブレイさんなら大剣に変化すると思いますよ?」
「そうかい。だが僕はハンマーの使い手でね、剣は馴れないんだ。」
喋っていると「アポカリプス・レイの書」が保管されている建物についた。
ギルバート神殿。かつて三人の魔導師が邪神を倒す為に作った光の神殿。だが今は効果をなくし、ただの神殿になっている。
「ん?あれがアポカリプス・レイの書か?」
高木が一つの書物に指を指す。
だが高木が近付こうとしたら、何かにぶつかるように何かに当たった。
「イテテ…何だこれ?」
高木は鼻を摩ってシグロに聞く。
「これは「透明の壁(インビジブル・ウォール)」だょぅ。ふあぁ…。」
シグロは眠たそうに口に手を当てて欠伸をする。
ピキッ
何かに亀裂が入る音がする。
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