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(確かに青年の言葉を聞くと安心する。ただ、この場所の安定感から逃れることも嫌だ。)
「いけないよ。私はここが心地いいのだもの。」
そういった私を青年は怒らずににっこり笑った。
「じゃあ約束しよう。元の世界に戻っても君に会いに行く。そして君が寂しくないようにしてあげる。」
(じゃあ戻ってもいいかな。)
そう考えた瞬間に空間がかすみ始めた。足下が崩れ落ちるような錯覚に陥った。
「きゃああああああ!」
無意識に腕を青年に伸ばしたが、届くことは無い。でも声は聞こえた。
「絶対!絶対探してみつけるからっ!」
そうして白い少女は白い空間から元の世界に戻ることに成功した。
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