2,白の痕跡

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目を覚ますと目の前には白い天井。 一瞬あの空間かと思った。 しかし周りを見渡せば病院のようで。あの白い空間のことを思い出す。 真っ白で高く伸びるその階段の先は何なのだろう。考えていると突然扉が開いた。  「おはようございます…って!?目覚めたのね!今先生呼んでくるから。」  看護師さんのようで私が目覚めているのを見ると早足で戻っていった。  その後先生の診察の後、普段顔を見ることの無い両親がやってきた。気まずい思いをしていたが、泣きながらやってきた両親を見て少しだけ、心が温かくなった。  俗に言う育児放棄であった我が家で両親の顔を見ることは少なく、いつも母方の祖母に面倒を見てもらっていた。 祖母は両親を毛嫌いしていたがそんな中、祖母だけが私を愛してくれていたと思っている。 その祖母が亡くなってお墓参りに行こうとして乗ったバスで大規模の交通事故に遭い、死者も出た中で一年間も意識不明だったらしい。
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