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先ほどまでとは違う、この空間にいたいという感情が押し寄せてくる。
誰からも干渉されない、誰からも文句を言われないこの場所にずっといたい。
(どうしてだろう。誰かに自分を決めつけられて自分を殺すようなそんな世界にいるのなら、誰もいないこの空間がいい。)
「でも君は泣いていただろう?」
「それは…気の迷いだよ。一人になったらだれだって不安になる。」
青年は静かに少女と目線を合わせた。少女は確かに泣いていた。恐怖を感じていないと感じていたはずなのに。
孤独を感じたから?少女にとって孤独は負のイメージでしかない。
「つまり君は、ここにいたいけど一人は嫌なんだね?」
確かに少女はそういった意味合いのことを言った。
(だけど色のあるこの人にいてほしくない。私矛盾してる。)
「どうしてあなたは色があるのに私には色が無いの?」
そう尋ねると青年は困ったような悲しいような、焦っているような不思議な顔をした。
「君が少し…生きることを諦めようとしているからかな。」
青年が言ったことの意味を少女は理解していないような顔をした。この空間にいることと生きることの関係がどこにあるというのだろう。
「僕が思うに、君はここにいても元の世界に戻っても愛がほしいんだと思っているんじゃないかな。」
青年がそう言った瞬間にこの空間が揺れた気がした。
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