★秘密の告白

7/11
前へ
/243ページ
次へ
* * * 「失礼しまーす」 稚尋は澪の手を引きながら保健室の扉を開く。 通い慣れた保健室の匂いに少しだけ、心が落ち着く。 保健室に他の人影は見えなかった。 澪がホッと胸を撫で下ろした瞬間、耳元で金属音がした。 カチャリと音のする方に振り向く澪。 ……まさか。 「さ、くら……君?」 その、まさかだった。 「鍵閉めたの」 期待を裏切らない音の正体に、案外驚きはしなかった。 「何がしたいのよ?」 澪はため息をつきながらようやく質問することができた。 澪の質問に、稚尋は壁にもたれ掛かりながら答える。 「だーかーらー、言ったじゃん。俺はお前に興味があるんだって」 「興味があるってなによ!?」 澪には、稚尋の言葉の意味がさっぱり分からなかった。 澪が半分叫ぶように質問すると、稚尋はため息をつきながらこちらに歩み寄ってきた。 思わず、体が強張る。
/243ページ

最初のコメントを投稿しよう!

143人が本棚に入れています
本棚に追加