★秘密の告白

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「……っ」 その近さに違和感を感じながら、澪は稚尋の表情を見上げる。 目鼻立ちが整った、キレイな顔。 彼から香る、甘い香り。 まるで、人を惑わせるような、そんな香りだった。 普通に出会っていれば、澪は稚尋に恋をしていたかもしれない。 “普通に出会っていれば”だ。 「私は……あんたのものなんかには、ならないっ……!」 出会い方を間違えたの。 アナタは、私を傷つけた。 澪が必死に稚尋を睨み付けていると、稚尋の手のひらがゆっくりと伸びてきた。 稚尋の片手が澪の両頬をつまみ上げる。 頬をつままれ、顔を動かすことが出来ない。 次第に込み上げる澪の涙は、稚尋の指を濡らした。 「やだっ……はなしてよ!」 澪の抵抗に、びくともしない稚尋の腕。 稚尋は表情一つ崩さずに澪を見つめていた。 いやだ……。 これ以上、見ないで。 澪の気持ちと裏腹に、涙は止まらなかった。 澪は、泣き虫な自分が大嫌いだった。 澪の瞳から新たな涙が零れた時、今まで黙っていた稚尋が口を開いた。
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