★泣き虫お姫様

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その途端、真っ白な天井が視界に広がる。 ギシリとベッドのスプリングが、ひっそりと静まり返った保健室に響いた。 保健室は静かで落ち着くから、好き。 人見知りの激しい澪にとって、この場所は心休まる数少ない場所だった。 なんだか、とても眠い。 必要以上に泣いて、泣き疲れたせいかもしれない。 そんな澪が瞳を閉じ、眠りにつこうとした、その瞬間だった。 ガタンッと聞こえた突然の物音。 その物音で、澪の眠気は一気に覚めてしまう。 「……!?」 飛び起きた澪の目の前に広がった光景。 その光景に、思わず腰が抜けてしまった。 「お前……もしかして朝宮 澪か?」 「……え?」 気がつくと、見知らぬ美少年が澪の顔を覗き込んでいた。 透き通るような栗色の瞳が、澪を捕らえる。 その視線に、すべてを見透かされているような気分になった。 何……この人?
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