★泣き虫お姫様

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「……あ……あの……」 戸惑う澪は、その場から動けなくなってしまった。 少年は怯える澪の姿を見つめ、ため息混じりに口を開く。 「さっきの話聞いてた。お前、コバミが本気でお前のことフッたなんて思ってんのか……?」 「……え?」 何言ってるの? 澪は少年の突然の言葉に目を見開いた。 訳がわからない。 澪は確かに今日、同級生の小林 大輔にフラれた。 それは変わりようのない事実だ。 それなのに。 「お前、俺たちの間でなんて呼ばれてるか……知ってる?」 澪には少年の目的が全く読めなかった。 「知らない」 少年は澪の言葉にニヤリと笑い、澪の耳元で囁いた。 「泣き虫姫」 え? 「なっ……!?」 泣き虫姫!? 私が!? ダメだ、頭が追いつかない。 「姫……コバミより、俺と遊ばない?」 少年はそう言って、澪との距離を詰める。 「……やっ……やめてよ!」 少年のいきなりの行動に、澪は驚きのあまり少年を突き飛ばしてしまった。
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