吸血鬼の悩める日々

6/27
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
    ④ バスに揺られ、曲がりくねった山道を走る事、3時間。 ようやく到着しました。 廃村の中で、教団施設だけが異彩を放っていた。 セミナーツアーを主催している銀ブチ眼鏡インテリが、 背後に控える数名の男達と共に、 バスから降り、到着したオレ達を出迎える。 にこやかな笑顔が似合わず、気持ち悪い。 Q教団の日本支部らしいので、 外人かハーフかもな。 オレより背が高い男は、処刑順が早まるよ。 銀ブチ眼鏡インテリは、シバと名乗った。 中国・日本ともインド系とも取れる微妙な名前… 出家名かもしれない。 シバという青年は、本部の教祖の息子で、 日本支部を統括する総責任者様なそうだ。 わざわざ、セミナーツアー客ごときを出迎えてやったんだから、 ひれふして、感謝感激で咽び泣けというコトらしいよ★ シバ様ねぇ。 いかにもキレモノ風な…… 「宗教が金になり、税金的にも美味しいから、    インテリヤクザが、経営に乗り出しました」 って言っても、信憑性がある、 冷酷そうな、蛇のような空気の男だ。 しかも、いまどき全身が白いスーツを着ているコトで、 人となりがわかるのでは……
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!