1:私×ヒミツ

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「ねぇ、見て見て~!高波先輩いるよ~」 「わぁ、本当だぁ~」 「ねぇー、もう、たまんないよね~」 今日も騒がれる彼。 高波 冬馬(たかなみ とうま) 私の学年の一個上で二年生。 成績優秀、スポーツ万能。 容姿、性格──全てが完璧… 通称、学園のプリンス 女子は彼と近づきたいと必死だ。 窓際で今日も女子達が身を乗り出して彼の姿におおはしゃぎ。 そんな彼女達を横目に呆れていると、 「あき~」 私の友達、春坂 愛花(はるさか あいか)通称、あいが私に駆け寄ってきた。 「──ん?」 「係の仕事終わったから、一緒に帰ろ~」 「うん、いいよ!帰ろっか」 机の横にかけてあったカバンをとり私とあいは教室を出た。 帰り道、いつものように夕日に照らされた道を歩く。 「ねぇ…あきは興味ないの…?」 ふいに、あいがそう聞いてきて首をかしげる。 「──何が?」 「な、何って……その…た、高波先輩のこと……」 「高波先輩?んー、そうだなあ、私はないかな」 「ほ、ほんと…?」 「うん。あいに嘘なんかつかないよー」 「─…っ、そ、そっか……。」 ホッとした表情で頬を赤らめ、嬉しそうな顔をするあい。 その顔は、今まさに恋してますって表情で。みているこっちがつい頬を緩めてしまう。 かわいいなあ、なんて。 あいが、高波先輩のことが好きなことはだいぶ前から知っていた。 それなりに付き合いも長いからね。 だからこそ、なおさら言えない。 私が──…… 「──じゃあね~また明日~」 あいが、元気よく手をふる。 「うん、また明日ー」 手をふりかえして、別れたのは私がすむマンションの前。 20階建てのマンションの15階に私は住んでいる。
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