1:私×ヒミツ

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正直に言ってしまえば、私はこいつが嫌いだ。 「……ん?あれ…冬馬、校庭にいなかった…?いつの間に帰ったの?」 帰るまえに校庭にいる冬馬を確かに見た(友達が)って言ってたきがする。 「んー…、ヒミツ」 「…いや、ヒミツってほどのことじゃないんじゃない?」 気だるそうな冬馬を軽く睨み付ける。 「まぁ、言うまでもないってこと。」 私の視線を軽く受け流して。 いたずらっ子の笑みでそう言うと、大きなあくびをひとつして、ソファーに腰を掛けた。 「ふーん、あっそ」 別に知りたい訳じゃないから。いいもん、別に。 「まあ、それはそうと今日の夕飯なに…?」 ───私はあんたの飯使いか何かですか? 自分で作ればいいのに。 高校生でしょ? 私より年上でしょーが。 ──まあ、いつものことだけど。 作っちゃうんだけど。 「──オムライスだけど…」 「ふぅん…」 「“ふぅん…”って……嫌なら食べなくていいけど?」 その方が私も二人分作らなくておおいにありがたいんですが。 食費も浮くしね! 「……っふは、嫌な訳ないって。オムライス、俺の大好物だし。」 そう言って、冬馬がソファーから見上げるように私の顔をのぞきこんでほほえんできた。 王子……いいえ、──悪魔のほほえみで……
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