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挨拶ってのは大事だ。
一日の始まりで、一日の終わりで、会話の糸口として、次の日に再び会う事を思って。
他にもあれど多く語ればボロが出るので割愛。何にせよそれぞれの言葉は違えどいずれもが挨拶、自然と口にすることがあるだろう日常に溶け込んだ言葉。
かく言う俺も普段通りに起きて普段通りに準備し登校。友達らと挨拶を交わし、昨日の出来事などを主に会話に花を咲かせる。
なんという事もない、何処にでもありそうな学生の過ごし方。
「ただいまーっと」
その日も特段変わらない学生として過ごし家へと帰る。一人暮らしなので返事はないが、習慣として身に付いた物は早々治せるものではなかった。
帰ってからの行動は晩御飯を食べ、風呂に入り、学校から教師のいやらしい笑みと共に出された課題をこなしていく。が、意外にも量が少なかった課題を終えた後はやることがない。要は暇なんです察してください。
「たまには早く寝るのもありかね」
テレビを見るなり本を読むなり選択肢はあるのだが、今回は寝ることを選択する。
「そんじゃ、おやすみなさ」
電気を消しベッドへ潜り込む。何だか今日は良い夢を見れる気がした。
「おはようございます、あなたは死んでしまいましたー」
訂正、何一つ良い夢なんかじゃなかった。
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