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「でもどこから説明すれば良いのかな。教えられることが有り過ぎて迷っちゃう」
「…じゃあ、まずはここが何処であんたが誰か教えてくれないか?」
口振りからして聞けば答えてくれそうなので、質問という形で助け舟を出してみる。実際知りたいのは俺の方なので助けられるのはこちら側なんだけども。
というか死んだって言われたばかりなのに落ち着き過ぎだな。幾ら信じる信じないの次元に脳の活力を上げてないとはいえ、ここまで普段通りの自分に我ながら呆れるが、今は情報獲得及び整理の為にも頭の片隅へと追い遣っておく。
「そう言えば自己紹介がまだだったね。初めましてヒッポロ系ニャポーン君、私は「おい待てよこら」
何いきなりかっこいいポーズしちゃう勇者が出る物語の一シーンを出してんだこの人。当て嵌められたのが腋でおにぎりを握るオヤジじゃなかっただけマシだとか思ったけど、論点は違うそうじゃない。
「俺は「只野 零 でしょ?知ってるわ」
……何なのだろうか。
口許に手を当ててくすくすと笑うその姿は上品さを際立ててるけど、同時にこっちとしては空気の緩さとは真逆に変な焦りが生まれる。
「そう警戒しないで。私はミリシア、零の世界で言う神様よ」
「は?」
どうやら俺こと只野零は現在進行形でおかしな夢を見ているらしい。誰だよ今日は良い夢が見れるって言った奴は…「自分でしょ?」アッハイ。
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