おはようございます

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閑話休題。 「それじゃそろそろ本題に入ろうと思うんだけども良いかな? 」 カップの重みがそこまで感じられなくなった頃、軽く息を吐き 一瞬の間を置いてからミリシアが口を開いた。 本題とは恐らく俺が死んだという事だろう。ただ、いざ考えた ところでやはり実感は湧いてこない。 別に刃物で刺された覚えもそれこそ大型の車に轢かれた等した 記憶も無い。特殊な病を患った訳でもなく、昨日は珍しく早め に寝ただけだ。 兎にも角にも無反応というのは失礼なので首肯で返しておく。 「頭の回転は悪く無さそうだし言ってしまうと、遠回しの死因 は心臓麻痺よ」 遠因って事は直接的な原因が他に転がっている訳で。そこに加 えて突然の死、目覚めれば目の前に神様。 こういった一連の流れは新鮮な記憶としてある。命日である昨 日は珍しく見てなかったそれ。 「よくある携帯小説に酷似した流れだな…。俺にはあそこまで 物語を練り上げる力が無いから完全に読者としての話だが」 そう、似てるんだ。暇な時や寝る前のちょっとした時間に見て いた物語の幾つかに。全部を見てる訳じゃないから細かくどれ とかを言える訳じゃない。 ただそうやって物語の中とは言っても今の自分と似た境遇が頭 にあったからこそ、今の今まで焦らなかったのかもしれない。 加えて、死に対しての恐怖心を湧き上がらせるタイミングがな かった。意識の無い状態で痛みもなくただ睡眠時に逝くとは世界でも稀なケースかもな。 「ええ…酷似しているというか、もうドンピシャね」 口振りからしてミリシアも存在は認識しているんだな。 思わず苦笑いが漏れたけど仕方ないことだと思いたい。
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