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ピッ、ピッ、ピッ…
何度やっても電話が繋がらない。
ズルッ…ズルッ…と足音もだんだん大きくなっている
渚「開始してから二時間たつ、二時間たったら私どうなるのっ…!」
もう、もうだめだ…と諦めかけたとき、急にしんっ…と物音一つなくなり静まり返った。
渚「今のうちにっ!」
私は押し入れを開けて人形の置いてある洗面所へ走って行った。こう見えて私は陸上部だから足は速い方だ。
そして洗面所の戸を開けて人形の漬けてある洗面台をのぞいた。
渚「Σ!人形がない。どうしょう…これじゃ終われない…もう嫌あぁーー!!!」
叫んだ瞬間にドンドン!!と玄関から激しいノック音がした。
渚「キャァァァァァーー!!!!」
恵「渚ぁーー!」
渚「め…恵!?」
玄関の戸を叩いていたのは私の大親友の恵だった。
渚「恵ぃ!」
バンッ!!と勢いよく玄関の戸をあけ恵に抱きついた。恵はよろけながらも受け止めてくれた。
渚「恵ぃ‥恵ぃ!」
恵「電話が急に切れたから心配したんだよ!馬鹿!渚の大馬鹿!」
恵は涙目になっていた。私は涙が止まらなかった。それは怖いや恐怖からでは無く怖がりな筈の恵が私のために夜中に来てくれたから、それが嬉しくて嬉しくて‥。
渚「うわぁーん!」
涙が止まらない。
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