雨のち、糞ったれ

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「くっそがっ」 ベッと汚ねえ唾を吐き出して、汚ねえジャージを着た少年が歩きだした。 彼には父親が居ない。 母親と二人で住んでいる。 彼が産まれた時には父親はもう居なかった。 彼には父親という存在も記憶も、「父親からの愛情」も無い。 そうそう言うのを忘れていた、彼の名前は信二。 17歳である。 彼の父親は母親が妊娠したと聞いたら、ちょっとタバコを買ってくると言い、そのまま18年帰ってこないまま。 そう、クッソ野郎だ。
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