1.プロローグ

2/6
前へ
/45ページ
次へ
迷ってしまった。 開始早々こんなことを言ってしまって申し訳ないのだが、どうやら僕は迷子になってしまったようだ。 時刻は十八時を過ぎたあたりだ。太陽は沈みかかっているのに加えて、ただでさえ少ない光源が周りに広がる青々と茂った木々によりさらに遮られている。 僕の現在地は地元のとある山の中である。先日、休日を利用して山登りをしようと友人に誘われた。特に用のなかった僕は二つ返事でそれを了承してしまった。 登りは何の問題もなかったのだ。ただ記された道にそって行くだけだったのだから。 問題は帰るときだ。  友人が口を開いた。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加