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「「夏祭り?」」
同時に声を発したのは、奥州と武田のオカン…ではなく両国の臣下の片倉小十郎と猿飛佐助である。
そして、その眼前には互いのやんちゃ坊主…ではなく主が…
諦めて完全に脱力している伊達政宗と子犬の様に目をキラキラさせて期待満ちに満ちている真田幸村である。
「夏祭りなんて一体何処で聞いたのさ旦那?」
小十郎の横で佐助は困った様に自分の主に問う。
「成実殿から聞き申した!!!」
「……成実殿か」
「…あの野郎(怒)」
それを聞いた瞬間小十郎は額に手をやり溜め息を吐き政宗は悪態を吐く…
そして、事の張本人である成実を内心呪った。
毎年奥州ではこの時期に夏祭りが開催される。
幸村を除く全員は知っていた。
人が多く集まり混雑する夏祭り。
そんな中に入る事は敵に好機を与え危険だと判断し幸村にはふせておこうと決めていたのだ。
甘味好きの幸村が知れば行きたいと騒ぎ出すと解っていたからである。
しかし、それも水の泡と消え去った。
思わぬ伏兵によって…
「あとで絞めてやる…」
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