夏祭りにはご用心を…

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現在、四人は町人に見せる為浴衣を着用している。 幸村は、朱地に裾と袖に炎を模した柄の入った物。手には団扇…。 政宗は、明るめの紺地に右袖から背部にかけて竜が大胆かつ質素にあしらってある物。因みに眼帯は包帯に変えて脇差を差している。 佐助は、淡い橙地に山吹の花があしらってある。こちらは幸村同様、団扇を手にしている。因みに顔の化粧は落としてある。 小十郎は、深い緑に水を模した様な模様があしらってあるものを着用し、政宗同様脇差しを差している。 しかし、どんなに浴衣を着用し町人に成り済まそうとしても如何せん存在自体が目立つ… 人込みに身を置いているにも拘らず好奇の目が明らかに自分達に注がれている事を祭りに気を取られている幸村以外の全員はひしひしと感じ取っていた… 「…完全に場違いって感じがするね」 佐助が小十郎に寄り添いつつ、団扇で口許を隠しながら耳打ちする。 「…そうだな」 そんな二人の視線の先には、すっかり祭りに浮れてはしゃいでいる幸村とその幸村を迷子にならないようにと必死な政宗の姿… そんな二人の姿を見て保護者は二人して溜め息を吐いた…  
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