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そうこうしている内に、子供…ではなく主達は人込みに紛れて消えてしまった…
「…消えたね」
「あぁ…消えたな…」
何となく予想していた為、何の驚きも無い。
「どうする?」
一応、形式的に佐助は問う。
「放って置けば良いだろ…政宗様が付いているしな…」
そんな問いにこれまた興味が無さそうに左右の袖に腕を入れながら小十郎も返す。
「そうだね~真田の旦那もいざとなればかなりやるお人だしね…」
口許を団扇で隠しつつやる気無く答える。
そもそも、四人で居る方が無駄に目立つのだ。
なら、分散した方が逆に良い…
全員、腕は並の武士以上である。
全く問題は、無いだろう。
しかし、それよりも…
傍から見れば、男女に見えなくも無いこの主と臣下の二人組同士…
幸村は、元が幼い顔立ちに一房の髪を垂らしているため見ように寄れば男っぽい女に見えなくは無い。しかも、体の線が着痩せするのか細く見える。
佐助は佐助で、忍が本業である為か華奢ではあるが程よく筋肉のついたしなやかな体付きをしている。髪も現在は下ろして団扇で口許を隠している為か髪の短い女に見えなくは無いのだ。
((この二人の方が余程危ないだろ…))
と…離れた場所にいる筈の伊達主従は同時に同じ事を思い溜め息を吐いた。
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