珈琲牛乳二杯目

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「実はある神の魂が人間として下界に転生、まぁ生まれ変わっちゃったんだ」 「?そこに何か問題が有るのか?」 「質問は最後まで聞いてからだよ理佐ちゃん」 「ちゃんは止めろ。むず痒い」 「で、神が人間に成るなんて例が無いからね。神としての力が目覚めずに寿命を迎えてくれれば魂を回収出来るんだけど、そこでちょっと問題が起きてね」 「問題?」 「そうだよ理佐ちゃん。大問題が起きた」 「だからちゃんは止めろ」 「その問題って言うのが件(クダン)の神が生まれ変わる原因に成った……まぁ、神を殺した者がね。その魂を飲み込もうと企んでるんだ」 「飲み込むって、それに企んでるって分かってるなら」 「神同士の争いは人間を代理人にする事。これは神の掟だけど余り好きじゃない。殴りたい奴は自分で殴りたいじゃない?」 「同意を求めるな同意を」 「まぁそれは良いとして。何と無く分かってきてるだろうけど言っておくよ。孝俊君、君にやって貰いたい事はその神が無事寿命を迎えるまで守って欲しい。危険から遠ざける事は不可能だろうからね」 神はまるで、我が子を心配する親の様な面持ちで頭を下げてきた。 ふぅむ。神が人間に成って、その神を殺した奴がそいつを狙っていて、神同士じゃ争えないから代理人を立てて、代わりにドンパチか、よし、ここは『だが断る』で行くか。 「依頼料は珈琲牛乳一生分で!!」 「やらさせて頂きます神よ!!」
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