はつ恋

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"あんなこと云わなければ良かったのに。" なんて、今更考えたって遅いのに。 きっとあの時、自分が告白していなかったとしても、どうせ結末は同じなんだろう。 乾いた心を宥めながら一人、満開の桜並木の下を歩くのは、惨めな自分を隠す為。 『明日、学校であってしまったら、どんな顔をすればいいのかな。』 欠けた月に問うのは、一人寝るのがつらいから。寂しいから。 せめて夢だけは美しくあって欲しいから、 棚の片隅にある聖母マリアの置物に祈るのだ。 "今夜は幸せな夢を見たい"と。
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