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中に入って、椅子に座ると、宗方君がハァ、と溜め息。
「ほんっとに、気持ち悪いっ!!何あれ!」
「まあまあ、何と言われてもね?」
悪態を吐く宗方君に、苦笑いの滝沢先生。
「で?何があった?」
優しく問われ、答える。
「何か可愛い女の子っぽい子が声を掛けてきて、来て欲しいって震えて言うもんだからさ」
「ついて行った訳だな」
宗方君に続けて言う滝沢先生。
「そ」
「そいつはどうしたんだ?」
「勿論逃がしたよ」
「そうか。で?」
「奴隷にしてやるって言われてさ。断ったら家を潰すんだって。大企業の御曹司だから簡単なんだって。調べもしないで、よく言えたもんだよ」
「あー、ろくでもないな」
「で、拒否したら、力ずくで、って囲まれて。面倒臭いから周りの連中には殺気を当てて気絶させてさ。樽(?)には……ね」
樽(?)とは折原の事ですか?
「ああ……股間、痛そうだったな?それより随分あっさり倒したが、痛め付けるのは止めたのか?」
「気持ち悪くて、余裕無かったよ。加減がわからないし」
……当たり前の様に言っていますが、痛め付けるのは、決まり事なんですかね?
「それよりあの手刀、あれでも速かったのかな?」
宗方君が聞いてきますが……。
あれでもって?
もしかして、驚いていたのは速いと言われたからですか?
「我慢してゆっくり動いたのにな」
溜め息と共に言いますが……本当に何者ですか?
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