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***** side 光哉
カノンから一通り話を聞いた。
「害になる者は完膚無きまでに痛めつけて排除しろ、って言われても、あれはねー」
カノンは、気持ち悪さのあまり加減が出来ない、と、苦痛を与えるのを諦めたらしい。
《人殺しは不味いからねー。なら、迅速に動けなくしなきゃ》
「……だな」
念話で声に出せない事を言うカノン。
本当、そんなところも、陽真そっくりだよな。
「……誰にそんな物騒な事を言われたのですか……?」
高村先生が怪訝そうに聞いてくる。
「「(僕)(カノン)の父親(笑)!」」
「えっ!?」
高村先生が目を見開いて驚いている。
「宗方家の家訓だ、ってちっちゃい頃から言われてた」
「あいつよく言ってたからなぁ。害虫は二度と関わってこられない様に徹底的に潰せ、とか、一瞬で意識飛ばしたら反省等しないから、意識を失わせない様に、じわじわ苦しめないと、とか」
「……凄い人ですね?」
高村先生が顔を引き攣せながら呆れてる。
「鬼畜だな、って昔言った事が有ったんだけど、害虫に掛ける情は持ち合わせていない、と笑って言い切ったからな」
「ああ、父さまらしいね。同感だけど」
カノンが苦笑いで言う。
この親子は……まったく。
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