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って、ちょっと待て!
えっ!?
自分の意志で残ったんじゃ無かったのか!?
俺は勇者じゃ無いから選べる、って言ったのは嘘!?
それに神が助けなければ召喚で死んでた!?
陽真は……知ってて黙ってたのか?
なら戻れないのも知っててそんな嘘を……。
項垂れてショックを受けていると、頭を、ポンポンって叩かれ。
「そうやって自分を責めるだろうって、自ら残るみたいに言ったんだよね。光哉1人を戻すのが心配だっただけで、地球に未練は無かったんだ。向こうで幸せだったから、感謝してるんだよ?あの人」
カノンが微笑んで。
陽真の姿とダブって、視界が滲んだ。
「それに、光哉が帰還した後、地球では“存在消失”ではなくて“事故で死亡”に変更されたから、父さまの事、忘れられてなかったでしょ?」
「……ああ、何故か陽真と2人、二年間スイスに留学してた事になってて、帰りに飛行機事故にあって、俺は救出されたけど陽真は死亡したって……」
「1人で戻った挙げ句俺の存在が消失してたら光哉が壊れるから、って父がイリアムに頼んでね。イリアムがガリアムに頼んだんだ」
そうだったのか……。
離れても俺は陽真に守られてたのか?
貰った記憶にその辺の事は無かった。
カノンにも守られてる?
「ま、僕が此処に来るからって、実は飛行機に乗り遅れてスイスに残り結婚して僕が生まれその後死亡、って事になってるんだけど」
そうカノンが笑う。
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