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「……私もあのまま彼方にいたら、闇に落ちて魔王になっていたのですかね?魔王を倒した途端、戻されたのですが……」
高村先生がぽつりと呟く。
「へえ?正規の召喚通りに帰すとは、勝手な割に良心的な神だったんだね」
カノンがちょっと驚いた様に言えば。
「そうですね……無関係の私を召喚して済まない、と、謝ってくれましたし」
それって……本当は良い神だったのかね?
「それはそうと、召喚防止、しとこうか」
カノンがスパッと話を切り替える。
「は?」
急な展開に付いて行けない高村先生は、首を傾げる。
「イリアメイラでまた勇者召喚する事になってね。光哉の再召喚の防止をしに来たんだよ。迎えに来たって言うのも有るけど。光哉はもう済んだけど、高村先生も魔力が有るから、念の為ね」
「また?召喚?魔王は封印されたと言っていましたよね?」
「あー、俺と陽真で倒し切れずに仕方無く封印したんだけど、復活しちゃうらしい」
「え?」
疑問に苦笑いで俺が答えると、高村先生は驚いている。
あー、高村先生は魔王を倒して来たからなぁ。
不甲斐なく思えるだろうな?
「とにかく、失礼」
そう言ってカノンは高村先生の背中に手を当て、勇者召喚防止の魔法陣を付与した。
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