もう1人の元勇者?

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「これで大丈夫。ついでに封印具に魔力感知防止の陣も刻んでおこうか」 カノンがにっこり笑って高村先生から手を離す。 「えっと?」 理由がわからず戸惑ってる高村先生。 「他の世界のやつが魔力持ちを利用しに来るかもしれないし」 「え、そんな事あり得るのか?」 俺の疑問に、目を細くするカノン。 ……だからその目は怖いって!! 「地球人は発想が豊かで役に立つ、って人気が有るんだってさ。勇者経験者なら面倒も無いから狙われ易い。だから父さまはそのピアスを光哉に着けさせたんだよ」 ……そういえば、絶対外すなって渡されたんだよな。 「そのピアス、封印具なんですか?」 「ああ……そうだな。両方で1%に抑えてる。高村先生とカノンのは?」 「私のはネックレスです。5%に抑えてますね。これです」 そう言って、高村先生はネクタイを弛めシャツのボタンを外して、首筋からネックレスを取り出す。 「どれどれ?」 カノンはそれを手に取ると、魔法で感知防止の陣を刻んだ。 「これで良し!」 「ハァ、その年で魔具に魔法陣刻むとか。やっぱり陽真の血を引くだけの事はあるよな」 呆れる俺に。 「そう言われるからって、ちっちゃい頃から、凄いスパルタだったんだよ!何度、花畑が見えたか!!」 叫んだカノンは青ざめて震えた。
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