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スタッフの方に案内されて席に着くとすぐに朔也さんが現れた。
「桃華ちゃん、いらっしゃい」
いつものように華やかで甘い笑みで挨拶する朔也さん。
このレストランにいるときはいつもこの最強な笑顔。
お教室の時は着ている服のせいかもうちょっと砕けた感じなんだけどな。
もちろんそんな事は今この場では言えないけど。
「純哉、ちょうどいいから挨拶だけさせてもらってもいいかな?」
「挨拶?誰か来てるんだ?」
「ん。うちの彼女?」
彼女?なんていたんだ?
目の前の主任も知らなかったみたいでビックリしたように目を大きくさせている。
「は?!」
ちょっと待っててって朔也さんが言ってからすぐに戻ってくると後ろにはすっごい綺麗で大人っぽい女の人。
なんていうか華やかで朔也さんと並ぶとまさに美男美女。
「え?まじで?……アヤノ?」
あ、れ?主任も知り合い?
っていうか、朔也さんの彼女のこと呼び捨てにしたりしたら……
「ごきげんよう。堂地君」
ご、ごきげんようって言った?
どこのお嬢様?!
「こっちが桃華ちゃん。純哉の溺愛してる彼女ね」
で、溺愛ってなんて言葉使うんですか、朔也さんっ
「天ケ瀬桃華です。あの、よろしくお願いします」
「綾乃と申します。どうぞよろしくね」
「ミレイ、ちゃんとフルネームで挨拶して?」
「あら、私うっかりしていたわ。綾乃美麗(アヤノミレイ)です」
アヤノさんっていうのは名字だったんだ。
それにしてもミレイだなんて素敵な名前。
アヤノさんって呼んでもミレイさんって呼んでもともかくどっちにしろきれいな名前。
「純哉と一緒で東京に住んでるんだけどちょくちょく来るから桃華ちゃん仲良くしてやってね」
「あ、いえ、こちらこそ。私でよければよろしくお願いします」
「ほんっとにかわいらしいのねー」
アヤノさんはぱぁっと顔を輝かせて言うけど、そういうアヤノさんの方がずっとかわいらしい。
綺麗なんだけど朔也さんを見るときの顔はすごく可愛らしくて。
あぁすごく朔也さんの事好きなんだろうなぁって言うのが伝わってくる。
「アヤノにはあげませんよ?」
ちょ、主任何を言うんですかっ
「あら、残念」
アヤノさんもっ
そのままアヤノさんは同じテーブルに座って話をすることになった。
朔也さんは当然お仕事があるので戻っちゃったけど、3人は同じ大学だったっていうことを教えてくれた。
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